My online activities
検索
以前の記事
2013年 02月 2013年 01月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2001年 01月 カテゴリ
全体 Math Science Book Log Misc Business Music IT Food Topic Movie Art Stat Politics Muttering Off Topic 未分類 ブログパーツ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2008年 07月 19日
Benfordの法則と呼ばれる「経験論」的な統計ルールがある.最近は不正会計や不正な税申告を検知するためのツールとしても使われるということで,世間的にも注目を浴びている.このあたりのBenfordの法則を実社会に応用する様は次のMark Nigriniのエッセイに詳しい.
I've Got Your Number 今回のエントリを書くにあたって大いに参考にしたのが,Wolfram MathWorldのBenfordの法則の項目,Julian Havilの"Gamma - Exploring Euler's Constant"のChap 14とTheodore Hillの論文である.ちなみに二番目のHavilの本はEuler定数を巡る非常に面白い本である.超オススメ. さて,Benfordの法則が今回のエントリのテーマであるので,その法則を述べておかないといけないだろう.今,世の中にある数字の書いてある統計表や数字のリストや数表を,何でもいいが持ってくるものとする.そして,その先頭桁の数字(1から9までの自然数)だけを取り出し,それぞれの先頭桁数字についてナンバーカウントを行うと,次の確率式が成立する: この法則が直観に反するのが,1が30%の確率で出現し数が大きくなるにつれて出現確率が小さくなるということだ.普通に考えると,1から9までの数が1/9の等確率になっているような気がするにもかかわらず,実際にはlogでディケイする分布になるのだ.この性質を利用して,決算報告書を作成するに至った計算書を調べてみて,その計算書において,先頭桁の数の分布がBenfordの法則に従っていないことから不正会計を見つけた,というのがNigriniの仕事だ. 実際にBenfordの法則をMathematicaを使用してプロットし,値を書き出してみると次のようになる(exciteのシステムがショボイのでRSSだと数式はでない): << BarCharts` Grid[Table[{d, P[d]} // N, {d, 1, 9}] // Transpose, Frame -> All] さて,現実はどうなっているかというと,Wolfram MathWorldのBenfordの法則の項目にあるリストを参照すると,やはりなかなかの合致具合である. もちろんBenfordの法則に合わない数表だってたくさんある.電話帳だとか,シーケンシャルに並んだ自然数の二乗根リストだとか.しかし,我々の世界にある数表の驚くべき数がBenfordの法則に従うのだ. それで,このBenfordの法則がどうして成立しているかどうかということについて考えると,なかなかに興味深い.Benfordの法則はただの経験則ではなく,きちんと根拠があり,その確率論に基づいた根拠はTheodore Hillによって以下の論文で与えられたのだ. Base Invariance Implies Benford's Law A Statistical Derivation of Significant-Digit Law Hillの論文は,確率論の定式化に関する簡単な測度論的基礎があれば,容易に理解できるので,詳しくは上記の論文を参照してもらいたいが,ここではそのアウトラインだけを述べて,その後に直観的なBenfordの法則の根拠を示したい. [長くなりそうなので続きは次回に]http://kashino.exblog.jp/7320241/
by yutakashino
| 2008-07-19 23:55
| Math
|
ファン申請 |
||