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2008年 05月 23日
米国ではTwitter人気がアホみたいで、うんざりする。
Twitterの立ち位置はメッセージングツールとブログの中間にあると思うのだが、友達との気軽なコミュニケーションや不特定多数を相手にしたミニブログツールとして非常に優れているプラットフォームだと思う。ただ、あまりにシステム障害が多すぎだが。実際、僕も普段利用をしている。ただしそれはあくまでライフログだとかメモとして利用するだけで、後でメモとしてGmailで検索できるようにGoogle Talkから利用しているだけだ。 そのTwitterだが、米国では現在はかなり加熱しすぎの感が否めない。ヒドイのはここからイノベーティブな何かが出てくるかと勘違いしている人が多数いるという状況で、それに関してはもう救いようがないと思う。アヤツは情報の均質化の速度を速めるばかりで、他人が知っているいうことを知っている状況を、つまり共通知識をグローバルに蔓延させるだけなのだ。 以前紹介した「儀式は何の役に立つか」においては、共通知識と「儀式(イベント)」の関係を指摘していた。この本では、共通知識を利用すれば協調問題が解決されるが、その共通知識を発動させるためのビークルが「儀式」である、というのが主旨だった。ここで「協調問題」とは、「他の人が参加するなら、自分も参加する」というふうに考える集団に対して、協調してひとつの行動をおこさせるように意図するときに生じる、非協調をいかに無くすかという問題である。たとえば、ある商品を多くの人に買ってもらいたいと考えるマーケティングの問題も協調問題の一つだ。そう、この本が指摘する儀式と同じように、Twitterは協調問題を解決する共通知識醸成のためのプラットフォームになると思う。 しかし、そんな均質化されたところからはオリジナルなアイディアだとかイノベーションというのは絶対にでてこない、と僕は信じる。オリジナリティやイノベーションは、均質に敢えて背をむけ、日常の生活習慣をベースに、個人の内奥にひそむ無謀で独善ともいえるアイディアの萌芽を、一人または数少ない集団で育て続けることでしか得られない果実だと、僕は強く信じる。イノベーションの生成過程をちょっと考えればわかるように、イノベーションとは多くの人がやらないことを敢えてやることだから、多くの均質化された集団からイノベーションが生まれるというのはおかしい。更に言うと「オリジナル」だとか「イノベーション」という言葉の定義には、その中に「マス」の反義的意味を含んでいて、共通知識というマスの要素がそこに絡んでしまうのは、ロジカルに変だ。だから、Twitterがオリジナルなアイディアやイノベーションのプラットフォームになることはない。 最後に蛇足を。容易に考えられるのは、日本人はもともと均質化するような民族体質があるので、Twitterと非常に相性がよいということだ。今後Twitterのインタフェースがパンピー向けになったり携帯端末から気軽に利用できるようになったら大流行するだろうな、ということは予想できそうだ。
by yutakashino
| 2008-05-23 10:26
| IT
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