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2008年 01月 09日
業務が始まってしまった。いわゆる大人として自分の仕事をきちんとやらなくてはいけないのだが、かなりウツな気分だ。今年の正月休みは本当に面白かったな。
Math Epiや確率過程の勉強を、オフィスへの通勤時や朝のひとときにやることは楽しみなのだが、それが楽しい分だけ、業務のあまりのアレさ加減に拍車を掛けてツライのだ。いや、もちろん必要な仕事だとは思うのだが、別に自分がやらないでもいいじゃないか、というのがここ10年思い続けてきた感想かな。まあ、得意なことと好きなことが違っているという、スキル同一性障害なので仕方ないのかもしれない。ちなみに、今年の神田明神でのくじ引きは5年連続の大吉が止まって、「吉」という結果。なんか、最近の中途半端な状況を象徴していて、重ねて嫌になる。 しかし、あれですな。各方面で漏れ聞こえるいろいろな話を聞く限り、国や地方自治体や独立行政法人のIT入札はトンでもない状況ですな。どう考えても数千万かかる業務を数百万で受けたり、丸投げブレーンバスター三連続だとかもう日常風景だ。まるでちょっと前の土建業界の1円入札や丸投げ丸請け体制と同じである。EUだと不当に安い入札者は第三者の審査役が落しちゃうのが普通なんだけれどな。また、規模がちょっと大きくなるシステム構築はユーザ側に評価できるスキルがない、だから出入り業者がRFPの作成代行を行い、その業者が出来レースで案件を獲得する、というのも地方自治体系ではよく聞く話だ。はたまた、システム業務を発注する部署の課長の奥さんの実家であるSIer(長い…)が厚顔無恥で落札するなど、公共系にも関わらずあまりのアカラサマな状況に開いた口がふさがらない。 こういった反経済行為が繰り返しおきる誘因を、一般競争入札という美名の元で公共が率先してシステム化するから、IT業界のゼネコン化が一層強くなり、引いては日本のITのクリエイティビティを壊していくんだよな。もちろん日本のIT業界に、仮にそんなものが存在したらとしての話なのだが。SIゼネコンのNTTデータ、野村総研、富士通、NECは当然のことながら、最近ではWeb2.0ゼネコンとして元ホームページ屋のアレとかソレが同じような立ち位置にほぼ収まりつつある。小さいところは買収されるのを目指すか、下請けでしか継続的に生きていけないような状況だ。業界全体でこのような下請けインセンティブが強固になってくると、独立の気風を持ちながらオープンソースを中心に新しい技術的チャレンジを、なんて気が失せてくるし、現実的に下請けを一切しないで継続的に経営することは難しくなってくる。それで、ますます下請けに、というのが中小のシステムインテグレーターの現状だろう。 そんな状況をよく経営学者なんかは、リスクマネーがたりないからだとか、日本にはエンジェルがいないからだというのだが、そんな制度をどうこうしてというよりも、もう少し根が深い問題のような気がする。例えば、日本民族のもつ技術的DNAとも言ってよい摺り合せ技術にのみ得意な技術特性が、下請けフラクタル構造を引き起しているのかも知れない。摺り合せをするには、発注側要求の一を知って百を知るような密接なコミュニケーションが必要だ。そのコミュニケーションの構造が恒常的下請け構造をつくると言うのは、自動車業界の下請けピラミッド構造からよくいわれている。また例えば、言語の問題が引き起す自然鎖国化も大きいかもしれない。大多数の日本人プログラマは日本語しか使えないのだ。これだけの職業プログラマを抱えている国なのに、グローバルなオープンソースソフトウェアのコミッターが数えるほどしかいないという現状はその典型例だろう。世界に出て行けないので、大多数の人間は鎖国された領域で活動せざるを得ない。そして閉じた領域で多数の人間が共倒れすることなく継続的に商売をするためには、顔役を筆頭に構造化されていなければならない、そして元請け下請けラットレースが構築される…という具合である。 まあどちらにしても、下請けフラクタル構造または元請け下請けラットレースは我が民族の技術的伝統芸といってもよいのではないか。伝統芸であるから、それを守るべき立場にある、国も行政も業界も個々の企業も、現状を打破しようなんて当然思わない。 しかし、このような現状では、普遍的な技術をもった集団として世界には出ていくのは絶対に無理だ。だから、すでに世界のフラットさを覚醒した人たちは、自分のリスクで元請け下請けラットレースより逃げるしか手がない、というのが悲しいところなのだ。
by yutakashino
| 2008-01-09 00:36
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