Mathematical Epidemiology of Infectious Diseases: Model Building, Analysis and Interpretation
いや、これには脱帽だ-。
最初は格調高いエスタブリッシュされたmathematical epidemiologyの体系書をイメージしていたのだが、なんとまったく違っていたのだ。これは即戦力を短時間に養成する実践的な演習書なのだ。そして、演習書にも関わらず格調高いという矛盾している傾向を合わせもっているのだ。これにはやられてしまう。
とにかく手をつかって、コンピュータをつかって、体に覚えさせてナンボであるというのがこの本の方針だ。全部で3つのパートに分かれていて、最初の2つのパートが演習パートで、最後のパートがその解説だ。とにかく最初の二つにおいて、実際の問題にダイブさせて現場感というか、事件は現場で起こっているぞ的な感覚を呼び起こし、四の五の言わずうまく溺れた後に泳ぎ方を教わるというのがこの演習書の使い方だと思う。コツは自分でダイブしたあとに掴めというわけなのだ。こんなやり方、他の分野でもそうそうお目にかからない。
Appendix AのKermack-McKendrickモデルを確率論的に扱うための解説は、僕が求めていたものそのものだ。いや、ヤバイ面白いっす。これはもう、休みの間に"dive into math. epi."ですね。