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2007年 11月 30日
マックス・ヴェーバーの哀しみ - 一生を母親に貪り喰われた男 うーん、こいつは…。もう副題通りの著者の「確信」がツラツラ書かれているフィクションと言ってよいだろう。ある意味総務のオバチャンの「部長とあの娘、絶対つきあってるわ!私にはわかるの」的下世話臭に充ち満ちている奇書といってよい。逆の意味で面白い。 著者の主張をまとめると次のようになる。 -封建主義的家族制度に生きる、妻とのエッチがなかった真性マザコンが、精神病を病んだ末に、その自己治療のよすがに書いたのが、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を主著とする一連の作品である- もう純粋フロイトニアンも斯くやという、母-息子-父という家族関係だけですべてを説明しようとするあまりのビミョウさにやられてしまう。しかも根拠となっている文献は、性交渉のなかったことになっている妻のマリアンネが書いた「マックス・ウェーバー」と、同じくマリアンネが編集した「マックス・ウェーバー 青年時代の手紙」という信頼性に欠ける書籍である。 既に著者の中で「マックス・ウェーバーマザコン説」という結論があるので、あとは確信と断定の入り交じった独特の文体で、マリアンネの著書に根拠付けを探して暴走するだけなのだ。挙げ句の果てには、「もしもマックスが従妹のエミーと結婚していたら…」という物語まで作ってしまう。こうなると、元ソーシャルワーカーであった著者の独壇場となる。自分の経験上の症例を提示してグイグイと読者を説得するのだ。「だってあの娘が部長に入れるお茶は他のと違って丁寧に入れているから」的オバチャン手法を使って。 著者の主張が確からしいかどうかよりも、著者のイメージがあまりに豊かすぎるので、面白いのは確か。そのイメージの豊かさから、もしかして著者も真性マザコン…という邪推さえ生まれてくる。後書きでマックス・ウェーバー研究の碩学折原浩氏にバトル予告をわざわざしていることを見てとっても、著者と同じフロイトニアンの精神分析手法を使ってしまうと、逆に著者の親子関係や夫婦関係が透けて見えてしまうのだが… この手のものは「なんちゃってノンフィクション」にするのでなく、いっそのこと劇作にしたらよかったのに。
by yutakashino
| 2007-11-30 09:48
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