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2007年 11月 23日
Discover Your Inner Economist たぶん現在世界で一番面白いブログMerginal Revolutionを書いている、George Mason Universityの経済学者Tyler Cowenのポピュラーエコノミクス本である。なかなか面白かった。ちなみに、George Mason Uinversityの経済学者は、かなりのblog名手が揃っている。Tyler Cowen以外にも、Arnold KingとBryan Caplan、そしてRobin Hanson等、これらのブログは第一級のアイディアと知的好奇心に溢れた情報を提供しているのだ。 それで、Tyler Cowenのポップエコ本であるが、題名の"Your Inner Economist"とあるように、普通の人が日常生活で利用できる経済学のアイディアを紹介し、そのアイディアをヒューリスティックスとして利用することで少しでも豊かな生活が送れるようにとする、言ってみれば「ライフハックス」本だ。ヒューリスティックスとして利用する経済学のアイディアは主に次のものである:インセンティブ、希少性、シグナリング、限定合理性と自己欺瞞、所得格差。 普通のポップエコ本と違うのは、ただ経済学的なアイディアを紹介し牽強付会に日常生活に結びつけて「さあどうだ、経済学は役に立つだろ、ハッハッハ」的な教科書経済学者の脳天気でお寒い手法を、むしろ馬鹿にしている点だ。お金を使ったインセンティブだって、使わないインセンティブだってこういった限界あるし、希少性希少性いうけれどそんなのがいつも第一に来ない場合だってあるし、シグナリングでゲーム戦略云々っていったって家族や親しい人間関係にそれを導入するのどうよ、というカンジである。そう、この本の主張はとても真っ当なのである。だから、Tyler Cowenが言う"Inner Econimist"とは、合理的な判断ができない部分を大きく含んだ社会に生活しているが、合理的な解決を目指している人間の「良心」のことなのだ。 個々のエピソードも、さすがに世界一のブロガーだけあって、面白い。子供に皿洗いのお手伝いをさせるのに、どうやったら失敗しどうやったら成功するか。モロッコのバザールのガイドと店主にはどういったインセンティブ構造があり、だから旅行者はどうしたらいいのか。美術館は経済主体として何を最優先し、それに対して鑑賞者はどう美術館とつきあうべきか。モノあまりの時代にあって人間にとって一番の希少性のある資源は何で、だからアートや本や音楽とどう対峙したら一番いいのか。他人に自分をアピールする方法で有効な手段は何で、それはどういったときに失敗するのか。自己欺瞞はそもそも何で必要で、自分の真実から目を背けているとどういったときにヤバくなるのか。おいしいエスニック料理を食べるには、どういった経済状況を持つ国がいいのか。お得意の少し斜に構えた、カッコつけ文体もイカしているし、自分の趣味のエスニック料理や音楽、アートの話がでると蘊蓄が止まらなくなるところも好感が持てる。 Freakonomicsは非日常の事象を統計学で料理することで、その中に経済学的インセンティブ構造を見つける本だったし、The Undercover Economistは日常の経済活動にはやはり経済学的な合理的説明があるということを確認する本だった。それに対してこの本は、経済学的なアイディアをヒューリスティックスとして用いれば少しは生活が豊かになるんだよ、でもそのアイディアの適用には注意があってすべての事象はカバーできないんだよ、という経済学的ヒューリステックスのトリセツ(取扱説明書)だと思う。 オススメ。
by yutakashino
| 2007-11-23 20:34
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