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2007年 04月 03日
ブロギングをしばらく忘れるほどの面白いネタを、10日くらい前に見つけて、それにはまり通しである。こいつは、すげえ。
#実は20年くらい前に読んだ、本多勝一「日本語の作文技術」にチラッと書いてあったの #だが、それとこれとが結びつかなかった。 そのすごいやつとは、日本語文法の革命ともいえる「三上文法」である。学校で習った文法-5段活用未然形だとか、「だれが」「どうする」「どんなだ」の「だれが」は主語であるとか、既に忘却の彼方にある陰気なやつ-なんて、まーったく実用には何にも役に立たなかったわけであるが、この三上文法は違う。実践に役に立つのだ。目から鱗どころか、目玉が飛び出ましたよ。 「三上文法」を提唱しているのは、既に35年前に鬼籍に入った気骨のアマチュア日本語学研究家、三上章である。そのとてもラジカルな主張で、「日本語には主語がない、あるのは述語のみである」、「何々は、は主語でなく主題である」、「何々が、は主語でなく主格である」というものであり、学校文法を根底から覆すものだ。 学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ。 僕もまだ咀嚼しきれてないので、下手なことを言って混乱させるだろうから、この程度でやめておくが、幸いなことに、くろしお出版から、彼の本がほとんど刊行されているので、彼の主張を確認することがすぐにできる。 ・象は鼻が長い 日本語文法入門 ・現代語法序説 ・現代語法新説 ・続現代語法新説 ・文法小論集 ・文法教育の革新 ・日本語の論理 ハとガ ・日本語の構文 ・構文の研究 このうち、「象は鼻が長い」と「日本語の論理」をオススメする。あまりのクリアカットな主張に、愕然とする、なるほどそうだったのか、僕らは何も知らなかったのだなと。そして、僕らはあんなに英語文法を勉強するくせに、日本語文法なんてちっとも勉強しない理由-英語文法と違って日本語文法は、勉強しても実践で役に立たないから-がよくわかる。そう、国語の学校文法があまりにタコだったんですよ。 これらの三上の著書に加えて、現在では、三上シンパの人たちが、かなり多くの解説本を書いていて、三上文法の理解の敷居がとても低くなっているのだ。 ・「象は鼻が長い」入門 庵功雄 くろしお出版 ・日本語文法の謎を解く 金谷武洋 ちくま新書383 ・日本語基礎講座 山崎紀美子 ちくま新書406 ・日本語に主語はいらない 金谷武洋 講談社選書メチエ ・英語にも主語はなかった 金谷武洋 講談社選書メチエ ・主語を抹殺した男 評伝三上章 金谷武洋 講談社 「三上文法」の中心テーゼのひとつである「主語廃止論」は、三上のオリジナルというわけでなく、三上以前にも主張している文献は存在する。しかし、三上こそが、日本語のロジックを徹底的に問い直して、英語とは異なるロジックを見いだしたのである。そして、個人的に超納得なのは、日本語の発想と英語の発想の違いをクリアにできるところなのである。 この三上文法は、ここ数年出会った中で、一番面白いトピックなのは確実なのだ。
by yutakashino
| 2007-04-03 23:56
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