My online activities
検索
以前の記事
2013年 02月 2013年 01月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2001年 01月 カテゴリ
全体 Math Science Book Log Misc Business Music IT Food Topic Movie Art Stat Politics Muttering Off Topic 未分類 ブログパーツ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2007年 03月 27日
Magic Universe: A Grand Tour of Modern Science 最近日本語版が出た、物理・天文学、生物・生理学、地球・惑星物理学を中心とした現代科学の概説ルポライティングエッセイである。著者は英国人で、New Scientistの執筆者、編集者だった人物だそうだ。しかし、残念ながら、この本は購入して失敗したと思っている。 キーワードとなるべき現代科学のテクニカルタームが、ビッグバンを中心にスパイダーネット状に絡んでいる図を巻頭に載せ、それぞれの概念が関連していることを示して、一見引き込まれる。しかし、サイエンスエッセイとしても、辞書としても、入門書としても、読み続けるためには、肝心の内容があまりにお粗末であると思う。ルポライティングとしては面白いが、サイエンスエッセイのような概念的な新奇性を導入することは全くないし、正確さも欠けるので辞書としては使えないし、いわゆる科学の入門的な手引き書としても使えない。なにより、こういった辞書風の書籍の命ともいえる、引用文献表については、内容自体がルポや有名科学者から直接聞いた話や自分が訪ね歩いた印象記述が続くので、"Personal Communication"ばかりになっていて、お話にならない。以上のような意味で、友達のスーパースター科学者に質問しまくってルポライティングした結果が、この本であるといってもよい。ということは、有名な科学者にオレが聞いたんだからこれ以上勉強しなくてもいいよ、という暗黙のメッセージにもとれるし、パンピーの床屋談義はこの程度で十分だよ、と突き放しているともとれる。 確かに文章は一級品である。しかし、現代科学の解説なのに巻頭の図以外、図やグラフが皆無だし、数式についてもほとんど見かけない。素敵なメタファーと、科学者の奮闘の記述、そして自分の伝聞ルポが続くだけである。また、トピックの網羅性についても、著者のバイアスがかかりまくりで、甚だ疑問だ。一人でこれだけの分野に渡る文章を書いたのはすごいとは思うが、それは読者的な顧客満足度を著しく下げていると思う。 このような本なのに、日本語版の価格である¥25,200はありえない。この「概説ルポライティングエッセイ」という内容で、この価格では全くペイしない。だってさ、話のネタ帳や雑学大辞典みたいな本が2万5千円なんてありえないでしょ?ちなみに、僕はAmazon.comから送料込みで$32だったのだが、購入して読んでみてガッカリしている。 #このダメダメな感じはどこかで感じた風だな、と思っていたら、そう、立花隆の芸風に #そっくりである。オレは科学の最前線にコネがあり、ルポをやってあげてるんだぜ、 #みたいな。ということは、立花隆が好きな向きには、問題ないのだろうが…。 #僕としては子供に読ませるとしても、これはちょっと、という感じである。
by yutakashino
| 2007-03-27 02:20
| Book
|
ファン申請 |
||