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2007年 02月 27日
世界屠畜紀行 うわー、コレおもしろい! 生きている家畜が食肉になるプロセスである「屠畜」を追跡して、13年に渡って全世界を巡った模様を描いた、ちょっとへなちょこなイラストルポライティング。でも、鬼のように面白く、思わずのめり込む。 著者は「センセイの書斎」や「印刷に恋して」や「東方見便録」でおなじみのイラストルポライターのウチザワさん。僕は彼女のイラストとエッセイのファンなので、彼女が関係する本が出るたびにデフォルト買いするわけだが、今回も外れなかった。 東京芝浦の屠畜場のなんとシステマティックなこと。へえー、屠畜に関わる人は都の職員だったんだ。それに引き替え、エジプトやイランやインドやモンゴルやバリの屠畜は原始的で豪快である。チェコもあるし、BSE関連報道以外では見ることのないアメリカの屠畜場の話題もある。加工される家畜も豚や鳥や牛はもちろんのこと、羊やラクダや、はたまた犬がでてくる。ああ、こういう極北にこそ、文化が現れるのだなあ、と正直にうなってしまう。また、屠畜はひとつのエコシステムを成していて、食肉となる枝肉以外にも内臓、皮などにも、それぞれいろいろな職業が関連していることがよくわかる。へえー。 屠畜場を描いた類書に、岩波新書で鎌田彗の「ドキュメント 屠場」があるが、こっちはもっと社会派というか、蟹工船チックである。たしかに、鎌田さんのような、食肉加工業にまつわる差別と技術職の狭間に生きる人間を描く迫真のルポライティングも面白いのだが、そういった労働系というか左翼的な職業の描き方はもうそろそろ賞味期限なような気がする。その点で、このウチザワさんの世界を巡るイラストルポは、「働くおじさん」と「兼高かおる 世界の旅」を合わせて、西原理恵子的へなちょこ体験で薄めた感じで、良い雰囲気を出している。何より、ウチザワさんの何でも食ってみようという姿勢、屠畜を、社会的な偏見の文脈に無理に押し込めるのではなく、あくまで食品加工プロセスに位置づける素直な姿勢にとても共感を覚える。 オススメ!
by yutakashino
| 2007-02-27 23:56
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