バカはなおせる脳を鍛える習慣、悪くする習慣
この本はなかなか面白い。著者は脳機能の権威で、僕の先輩の指導教官の一人であった人である。先輩に言わせると、業績がすごいのはもちろんのこと、かなりの人格者で、それより何より年がかなりいってるにもかかわらず、朝に昼にマラソンのトレーニングをし市民マラソンにせっせとエントリする人だそうだ。
巷で噂の「脳を鍛える大人のDSトレーニング」の川島隆太も弟子であるらしく、彼の唱道する単純な計算で脳を活性化というのは「根拠が薄い」と一刀両断である。更には、ベストセラーの一般向け脳関連書籍を書く、養老孟司 だとか茂木健一郎だとかがいかにどうしようもないかというのを検証するのに、
PubMedを見ろという身も蓋もないキチンとしたことを言ってしまう。これはある意味ヤバイ。
頭を鍛える一番の方法は、思春期に「猛ダッシュをあいだに挟んだジョギング」的な運動をすることという、すでに思春期を大幅に過ぎた人間にとっては、これも身も蓋もないことを主張しているのも面白い。「猛ダッシュ」ですか…。なんだか全体を読んでも、脳を鍛える=ジョギング・マラソン系の運動をするってなカンジで、あれ?勉強しないでいいんですか?と心配になる。でも久保田さんにとっては勉強するのはデフォルト超鉄板のあたりまえであるために、むしろ有酸素運動系の持久運動をしろってなかんじなのですよ。
というわけで、勉強をしない体育会系「バカ」がこの本読んでも「バカはなおせる」わけではないので、ご注意を。