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2006年 01月 04日
もうひとつの愛を哲学する―ステイタスの不安 現代人の持つ社会的ステータスに起因する不安を分析し、その不安を理解することにより不安を解消するきっかけを模索する哲学的エッセイ。あくまでも哲学的エッセイであって、哲学書ではない。 邦題の「もうひとつの愛」とは、社会から自分にむけられる「愛」のこと。それでは、愛とは: 愛は尊敬の一種であり、一人の人間の他人の存在に関する感受性の 一種である。…愛を感じるとは自分の存在を認めてもらい、十分に深く 受け入れてもらうことが必要条件となる。 特定の人に無条件に自分を深く受け入れてもらうのは男女の愛を代表とする性愛であり、それに対して「もうひとつの愛」とは不特定の人から自分を深く受け入れてもらう愛である。つまり自分のことを社会の人たちが尊敬したり羨望したり敬愛したりするような状態が「もうひとつの愛」である。 いわゆる社会内部における位置であるところの「ステータス」を人が追求する理由は、金銭や名声や影響力の行使といったものであるとされているが、この本ではそれは「もうひとつの愛」を追い求めるからであるとする。 現実問題として、ステータスは得ることも難しければ、たとえ得たとしてもそれを維持することも難しい。このようにステータスを得ようとも得られないのではないかという不安、得たステータスを保持できないのではないかという不安を「ステータスの不安」という。「ステータス」は物質的な豊かさと直結していたり、偶然の要素が絡んでいたり、メリトクラティックな能力主義と関係があったりといように外的観点から捉えるといろいろなオーダーパラメータがあり議論が難しいが、「もうひとつの愛」として「ステータス」を捉えると、個人、または集団の心の構えの問題となる。そしてこの「ステータスの不安」に対する心の構え様が、哲学・芸術(風刺漫画)・政治・宗教・ライフスタイルの観点から処方箋として提示される。 読み物として面白いし、博覧強記ぶりも感心する。ただ、心の構え様まではよかったが、最後に「ステータスの不安」のためのソリューションが「ボヘミアン」ってどうよ?ヒッピーはおろか葛城ユキの歌謡曲でしか知らない「ボヘミアン」って。いきなりガックシである。日本だとヤンキーですか?それともニートですか?ヒッキーですか?ぜんぜん処方箋になってないじゃん。また、参考文献がないのはエッセイだから仕方ないのか?更に言うと、翻訳はイマイチで直訳ロックがききすぎる。 総評としては、読んでも時間は無駄にはならないと思う。
by yutakashino
| 2006-01-04 02:28
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