金子みすゞの作品に「砂の王国」という題の童謡詩がある。
私はいま
砂のお国の王様です。
お山と、谷と、野原と、川を
思う通りに変えてゆきます。
お伽噺の王様だって
自分のお国のお山や川を、
こんなに変えはしないでしょう。
私はいま
ほんとうにえらい王様です。
これを知ったときに、ああこれこそまさにオトコの生き方だ、と勝手に解釈した。
僕らは、起業するのも、新しい定理を発見するのも、新奇の発明をするのも、政治をするのも、プログラミングするのも、小説を書くのも、映画を作るのも、音楽を作るのも、自分の思い通りに変えられる「砂のお国」を作って王様になりたいんだ。
これを「みすゞ帝国主義」と名づけよう。僕は僕の「砂のお国」を創りたい。その意味で僕は「みすゞ帝国主義」者だ。でも僕の「砂のお国」は恐怖と圧制と独裁であってはいけない。「ワクワク」と「スゲー」と「ウッシャー!」が憲法だ。「ほんとうにえらい王様」はみんなの価値観に敬意を持ち、みんなが自ずからコミットメントを差し出すような王様だ。だから、僕は「みすゞ帝国主義」者なんだ。