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2010年 08月 07日
現在、Mat Ridleyの"The Rational Optimist"を読んでいるのだけれど、なかなか面白い。世界は大きな視点でみるとドンドン良くなっている。それは余計な規制や思想から開放されているからだ。自由市場、規制のない自由な風潮こそ、繁栄を生む土壌であり、そしてその土壌にこそ繁栄が進化していくのだ。社会が悪くなるって主張するペシミステックな意見に耳を傾けるな、多少の失敗はあっても自由で(ヤンチャな)合理的オプティミストこそが世の中を一層良くしていくんだ、ってなガンコなリバタリアンらしい主旨である。結構、影響される。著者はThe Economistの記者や編集者を何年も続けていただけあり、明解で説得力のあるテキストを紡いでいると思う。
しかしだ、そのリバタリアンが3年前まで勤めていたのが、最近のクレジットクランチで真っ先に潰れたUKのNorthern Rock銀行なのだ。2004年から2007年まで、経営会議の議長(ただし、non-executiveだそう)を勤めていたのだ。そのまさに議長職の最中で自分の銀行が倒産し、銀行が引き起こした損失の穴を政府により埋める措置がとられ、大量の税金が使われていたのだ。リバタリアンが経営に携わっていた銀行なのに、その失敗の損失が税金で穴埋めされるとはね。それを揶揄したGuardianの記事が以下である。 George Monbiot: Governments aren't perfect, but it's the libertarians who bleed us dry http://bit.ly/cMdfJE I doubt that Ridley would be able to sustain his beliefs in a place where the state has broken down. Unless taxpayers' money and public services are available to repair the destruction it causes, libertarianism destroys people's savings, wrecks their lives and trashes their environment. It is the belief system of the free-rider, who is perpetually subsidised by responsible citizens. As biologists we both know what this means. Self-serving as governments might be, the true social parasites are those who demand their dissolution. これは、笑う。リバタリアン的主張するのは勝手だが、テメエらの起こした結果責任をどうとるんだ、ただ社会のセーフティーネットにフリーライドしている妄想野郎がリバタリアンなのかよ、というところね。まあ、Ridleyに言わせれば、なすがままにすればいいのに勝手に税金を投入した、ということなんだろうな。このMonbiotとの論争は既に税金が投入された後だったから、さすがにそこまでは主張してはいないみたいだけれど。 それで思い出すのが、最近よくリバタリアン的立場から福祉制度や社会保障を攻撃する日本のブログ論壇論者や週刊誌論壇論者である。たしかに行き過ぎた福祉や非効率な社会保障は問題だし、経済的にサステナブルでも無いし、公平性の問題が出てくるのは事実だ。しかし、それらを大幅に排除するというのは、やはり相当な問題がある。純粋な金勘定や効率性の観点から、データを提示し、現在の福祉制度・社会保障制度について不備や改善点を具体的に主張するのなら理解できるのだが、往々にして単に自分がリバタリアニズムにコミットしていることを世の中に主張しているだけのことが多くて辟易する。 そんな主張は、自分自身が事故や病気で重大な障害を負って働けなくなったり、家族や子供が過度の社会保障を受けざるを得ない重大な状態になったら、スグに撤回するようなチンケな主張なのに。そんなヤツに限って、それまで勤労者平均を大幅に超える年収を得ていたのにも関わらず、自分が失業したり自分の会社が倒産したりすれば、それまでのリバタリアン的主張はどこへやら、途端に社会的弱者に早変わりして、失業保険や社会給付を遅滞なくでもらおうとするし、その他の給付も最大限貰うような努力を怠らない。その一方で、自分が豊かな時にはリバタリアンとしてそのような社会保障や給付に否定的なのだ。それって単なるフリーライダーであって、リバタリアンと利己主義者を履き違えているだけなんだよね。えっ、事例が具体的だって?それは複数例を見ているからね。 要するに、日本によくいるなんちゃってリバタリアンは、単に想像力が不足する利己主義者であることが多すぎるのじゃないかと思うのだ。そもそも、一橋大学の森村進氏を除いて、日本で「我こそはリバタリアンなり」とブログや新書で気軽に主張する輩に限って、きちんとハイエクを読み込んでいなかったり、ヒュームの主張を誤解していたり、物理学の多体系や生態学系のシミュレーションの経験が無い、単に勉強不足な人間が多すぎるだけなのかもしれない。なんちゃってリバタリアンが良くやる手口は、各様のオレ的思考実験を行って、自分のリバタリアン的主張を喧伝することだ。それに対して、そのオレ的思考実験をサポートする真っ当な文献があるかどうかをキチンと調べてから、その主張をしてもらいたいものだと思うのだが、そのことはそういった論者の能力としては求めすぎなのだろうか。 ---- update ここではシミュレーションを「シュミ」レーションと書くあまりにアレな人は相手にはしないよ。ちなみに、計算機で多体系の数値シミュレーションをした人はわかるのだが、ひとつだけのオーダパラメータを考える思考実験がいかに役に立たないか、ということなんだよね。やったこともないヤツには多分分からないし、最初から能力不足で分からないヤツには絶対に分からないよな。
by yutakashino
| 2010-08-07 19:56
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