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2004年 09月 14日
雨の降る日曜は幸福について考えよう 名著「ゴミ投資家のための人生設計入門」と好著「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門」のマネー作家、橘玲の最新刊がでた。内容は前2著に書いてあることの焼き直しで、それを新聞の日曜版に連載したものをまとめたものに過ぎないが、エッセイ風に書いてある最初の章に印象的なエピソードがあった。 著者の友人に東大、米国有名大学MBAを出て、30代で外資系メーカーの管理部門トップになったビジネスエリートT氏がいる。その彼がヘッドハンティングを経て、業務不振のために存亡の危機にある中堅企業の経営再建を任されることになった。 入社初日から、T氏は職場を覆う異様な雰囲気に圧倒されることになる。彼に話しかける者は社内に誰もいなかった。オフィスに顔を出すだけで、部屋中が凍りついた。(中略)入社したその瞬間から、彼は排斥されたのだ。業績悪化の歯止めをかけるためには人員整理が避けられないことは、誰も知っていた。その尖兵であるT氏敵意や反感が集まるのも無理がない。(中略)新しい会社でT氏が出会ったのは、リストラされれば生きていくあてのない、追い詰められた人々だった。自分の生活と家族の幸福を守るために、彼らは全力で闘っていた。自分たちを追い出そうとする、あらゆる敵に対して。会社の中枢を担う40代、50代の社員たちが血眼になって取り組んでいた「事業」。それは会社にしがみつくことだった。 二ヵ月後、T氏は辞表を提出した。(中略)「正義が相手の側にあった」からだと言う。会社を辞めても、T氏は生活に困窮するわけではない。転職は、数ある人生の選択肢の一つでしかない。それに対し、彼の前に立ちはだかったのは、たった一つの選択肢しか残されていない人々だった。ならば、道を譲るべきは自分だろうと、T氏は考えたのだった。 選択肢のない人生。 現在、某社で退職しようとしている若者Aに、経営側からのパワーハラスメントまがいのことが起きている。普段温厚な人間が、どうしてこのようなヒドイ暴言を吐き、行動をするのだろうと考えてみたときに、この「選択肢のない人生」というのが思い当たる。 客観的に某社がどんなにひどい状況であっても、彼らには某社を存続していくことしか選択肢がないのだ。某社が潰れれば、彼らは自分と自分の家族の幸福を失うのだ。自分と自分の家族を守ることが彼らの事業なのだ。それ以外のことは、なりふり構ってられないのだ。Aにパワーハラスメントを行うことで解決する問題ならば、そうするだけの話だ。しかし、だからといって従業員であるAへのパワーハラスメントは正当化できない。 彼らはどこで、選択肢のない人生となってしまったのだろう。ひとつ考えられるのは、ピーターの法則にあるように、彼ら自身が「無能レベル」に達してしまったということだ。能力がないので、人に、従業員に寄生するしか生きるすべがないのだ。能力がないので、新しい選択肢を開拓することができないのだ。 一般にビジネスに必要な能力は、遂行能力、事務処理能力、人を動機付ける能力、金銭管理能力、スケジュール管理能力、創造力、交渉力、文章力、プレゼンテーション能力などたくさんあるはずだが、彼らにはそのどれもが欠けている。これはいったいどうしたことだ? 彼らをみてきて思い当たるのは、彼らは全くビジネスに関する勉強や学習をしないことだ。なぜだか分からないが、少し考えなければいけない書籍を読むのを極端に嫌がり、専門家にアドバイスを受けたりしても、自分の領域に強引に引きずり込んで自分が演説するだけで終わってしまう。なんと彼らは20代のときに、大企業で下っ端として身につけた能力だけでビジネスをやっているのだ。そうだ、これが原因だ。彼らが選択肢のない人生を生きているのは、30代以降にビジネスの勉強をしなかったから、つまりビジネスに必要な新しい能力を開発しなかったためだ。 人間の能力なんて下りのエスカレータに乗っているようなもので、下りエスカレータに逆らって自分で登る努力をやめたとたん、下ってしまう。そして、行き着く先が、無能レベルで、選択肢のない人生だ。ずーっと上り続ける努力をしないといけないのだ。 選択肢のない人生。僕はそんな人生は絶対に嫌だ。
by yutakashino
| 2004-09-14 23:07
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