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2010年 05月 25日
![]() 最近とても腹に落ちることがあった。それは37Signalsが書いたReworkを読んでだ。 http://37signals.com/rework/ 37Signalsは、スモールビジネス向けのコラボレーションASPツールをプロダクトに持ち、開発者にRuby On Railsのクリエイターがいることで有名な会社で、小さいけれど価値のあるエンタープライズとして僕らの業界ではとても有名だ。 この本は、37Signalsが、ベンチャーキャピタルなどの他人資本を受けずに10年かけてゆっくり成長し、非常に意識の高い会社文化を醸成し、高収益を上げるビジネスを構築するようになった秘訣を書いた本である。この本を読んでわかるのは、この会社の存在自体が徹底的にシリコンバレー的ベンチャー企業像を否定していることであり、その主張はとても痛快かつタメになるということだった。例えば、 他人からお金を出資してもらうのはやめろ、出口戦略なんて意味がない、ミッションステートメントは邪魔なだけだ、会社の規模など関係ない、お客の好きだと思うものよりまず自分が好きなものを売れ、ベンチャーごっこの徹夜作業より睡眠がなにより大事、会社に長くいるのはただのバカだ、会議は有害この上ない、人はできるだけ雇わない、会社文化は意図して作ることなどできない、お客を教えることで信頼を得ろ、ライバルにさえノウハウを公開したほうがいい… というカンジである。もう共感しまくりだ。僕もいろいろメンターなどから普通のベンチャー成り上がり物語を聞かされていた:綿密な事業計画を最低三期分作り、シードマネーをなんとか調達し、VCに1stラウンドの供給を受け、顧客第一主義を貫きながらつつが無く過ごす努力を傾け、2nd, 3rdという資金提供を受けて、社員をそれなりの速度で雇いながら売上規模を拡大し、売上が10憶の大台にのったらIPO、そしてエグジット!。しかし、その物語と自分のイメージするスタートアップ像が一致しなくて、結局のところどうすればいいのか、結構揺れていた。 しかし、どこかの会計士やコンサルがアントレプレナー講座で指南する常識なんてものさえ、一つのやり方に過ぎないということを(当たり前だが)気づくことができた。少なくとも、自分たちが合理的・ロジカルに思いかつ腹に落ちる方法でなければ、実行しても満足は得られないだろうということがわかった気がする。37Signalsの連中は、成人としての社会生活、エンジニアとしての職能生活、そして私的生活を含めた、全ての生活圏においてムチャクチャ満足していることが、この本からビンビンと伝わってくる。 面白かった。 2009年 03月 19日
![]() The EconomistのEntrepreneur特集を紹介した4日前のエントリ"Magic formula " [http://kashino.exblog.jp/8067030/]に関連した記事がNY Timesに出ていた。件のエントリにおいてEntrepreneurのロールモデルとして二番目に紹介した"driven by crisis"については、NY Timesの以下の記事では"forced-entrepreneurship"と名付けられ、労働市場の有効需要の不足のために非自発的失業状態にある若者が、生活を続けるために強制されて起業をした事例をあげてくれている。 Weary of Looking for Work, Some Create Their Own http://www.nytimes.com/2009/03/14/technology/start-ups/14startup.html?hp 観賞用のクラゲを販売するビジネスを始めたり、コロンビアにアウトソーシングするシステムインテグレーションサービスを始めたりと、皆生活するために必死である。クラゲビジネスの彼氏などは、自分の居室中にボトルを並べて、デスクトップに培養マルチプレートと実体顕微鏡が載っていて、さながら生物学の研究室のようだ。この彼氏のように、"Forced-entrepreneur"は、コストをかけずにアウトプットをできる限り増やすように工夫しながら、自分のビジネスを回しているのだ。 自分でビジネスを始めると、“It’s incredibly nerve-wracking."というように表現しているところもあったりして、現在の自分の境遇に照らし合わせても非常に共感し(ただ、僕らはどちらかと言うと"anchor-firm"の超小さい版であって、"driven by crisis"ではない)、スタートアップが"nerve-wracking"で、ハムスターの回し車にいるような感覚であるのはどこも同じなのだなあと思った。しかし、それであっても自分で仕事をやっているという自覚と自負があり、そのことはまさにMalcom Gladwellの"Outliers" [http://kashino.exblog.jp/7776100/]ででてきた、"Autonomy", "Complex", "A connection between effort and reward"に繋がるのだ。 2009年 03月 18日
![]() http://www.feld.com/wp/archives/2009/03/entrepreneurs-dont-be-afraid-of-gdp-growth-rate.html This is not meant to be exhaustive or to suggest any correlation - only a reminder that great companies continue to be created at shitty times. It is, however, interesting to think about what attributes might lead companies founded in shitty times to go on to be successful. How about: single-mindedness of purpose, frugality/capital efficiency, and more sweat than equity. まさにその通りだと思う。景況が厳しいときは、人並み以上の意志と倹約と努力がないと生きていけないから、この時期に設立されたスタートアップが大きな企業に成長しているようにみえることの解釈としては直感的に理解しやすい。これはもちろん、成功した起業家は成功しない人間よりも意志が強く、倹約の傾向にあり、努力を惜しまないようにみえるという、成功者を後付解釈する見方であるのには注意しなければならないが。 このようなリニアな成功史観を別にしても、意志や倹約や努力というものは、成功のために必要な成長のタイミングを掴むための確からしさを高めるとは言えそうだ。 2009年 03月 15日
今週号のThe EconomistのEntrepreneurshipの特集が面白いし、参考になる。雑感などを交えて緩く記事の紹介をしようと思う。
その特集の中で以下の記事では、Entrepreneurクラスタを作るために必要な成功の要因について、そのロールモデルとそれが成り立つために必要な環境特にカルチャーと政策についてコンパクトにまとめてくれていて、かつ最近のスタートアップについての事例を提示してくれている。 Magic formula http://www.economist.com/specialreports/displaystory.cfm?story_id=13216077 まず、Entrepreneurとその振興政策を担当する人間が参考とするべきモデルは、シリコンバレーだけではない、むしろシリコンバレーモデルは役に立たないということを記事は伝えている。シリコンバレーというのは非常に特殊な地域で、あの狭いところにStanfordとUC Barkleyというトップレベルの大学が二つあり、San Franciscoという大きなファイナンシャルセンターを有し、更に高度な知識を持つ人材流動の世界的な中心点となっているというように、奇跡的に恵まれすぎていて。Entrepreneurクラスタを自分のところに作ろうと試みる政策担当者やEntrepreneur本人にとっては、ほとんど参考にならないものである。 また、この記事のコメント欄にある指摘も興味深い。カリフォルニア州の法律は競業規定が全米一緩いのだ。だから、会社をスピンアウトして起業したときに、前職でやっていたビジネスをほとんどそのまま継続的に行うことができ、内生的成長理論で提唱されているイノベーションの要となるための知識のスピルオーバーが起きやすいのだ。 http://www.economist.com/specialreports/displayStory.cfm?story_id=13216077&mode=comment&intent=postTop これらの事実から思い出すのが、よく日本でも開催されるシリコンバレー視察ツアーである。件のツアーだが、彼の地で働こうと思っている潜在的滞在者は別として、シリコンバレー以外で勝負しようとする人間にとって、あれほど参考にならないツアーはそうそうあるものではないと思う。これと同じように、「シリコンバレーからの情報発信」なるものも、シリコンバレーの外にいるEntrepreneurには役に立つ要素を見つけることが難しい。これはまるで、生まれつきの美女に化粧の秘訣なんてものを教わっても、美女でない十人並みの人間にとってはほとんど役に立たないことと同じに思える。 The Economistの記事に戻ると、シリコンバレー以外の地域において参考にするべきEuntrepreneurクラスタのロールモデルとは次の三つだそうだ。 * anchor-firm * driven by crisis * local-hero "anchor-firm"は大企業のエコシステムの元で生きてきた小さな企業が、そのエコシステムをスピンアウトする、つまり下請けなのにブレイクしてしまったというモデルである。"driven by crisis"は現在のような経済危機・不況の元でレイオフされたり職を見つけることがない失業者がやむにやまれず起業するというもの。"local-hero"は地域の特性を活かして成功を収めてからネイションワイドやグローバルに打って出るというもの。記事ではそれぞれに一つか二つの事例を示しているので、興味があったら読んでみるとよいと思う。 ロールモデルも肝心ではあるのだが、それ以上に人材が持っているメンタリティーやその人材集団のカルチャーが大事だそうだ。これは常識で考えても納得がいく。保守的で官僚的な気風の人間ばかり集まっていては、Entrepreneurクラスタなどはできるはずもない。まさにこの点で現在の日本は他の地域の後塵を拝していると思うし、僕の個人的な体験からもそれを感じている。僕らはコストを低減でき既得権者が優位でなくなるこの不況だからこそ、そして自分たちの準備が整ったと実感したからこそ起業したわけなのだが、それに対して何人もの人たちから奇異な目で見られてきた。不況だからこそ大きな企業にいることが合理的だとか、正気の沙汰ではないですね風の扱いをされるのだ。何人もの人から言われてしまうと、Entrepreneurshipの欠如もココまできているのかと逆にビックリする。第二次世界大戦の敗戦後に本田やソニーなどの世界的企業となるベンチャーを輩出した日本のEntrepreneurshipは何処に行ったのだろう。この点において、清算主義的な経済政策を掲げる人に対して共感するところがあるのも事実だ。もしかすると日本のEntrepreneurshipはすべて失った荒涼とした瓦礫の風景からしか出てこないのかもしれない。 さらにThe Economistの記事において、メンタリティーやカルチャーと共に大切なのは、Entrepreneurshipを助ける政策であるともいっている。ただ、その政策としては特段目新しいものは必要ではなく、成功しているEntrepreneurクラスタで行われれている次の二つの事を振興すればいいのだ。 * 高度な知識を伝える教育の振興 * 移民や外人に対してオープンであること USにおいてここ20年間で急成長を遂げたビジネスの85%は大学卒の人間が行ったものだ。大卒、非大卒という区分にはもしかするとあまり意味がないかもしれないが、Entrepreneurとして高度な知識を産業に応用することが急成長のために必要であるというのは、既にIT分野やバイオ系では常識である。そのための知識プラットフォームを振興する政策を採らなければならないのは、当然だと思われる。別の言葉でいうと、知識のスピルオーバーを促進する政策が必要だということだ。また移民や外人は、違った視点やスキルをもたらすことが多く、イノベーションの他家受粉の要とされている。金融におけるユダヤ人、ITやバイオにおけるインド人の役割をみてもそうである。なにより移民や外人に機会を開放することで、アイディアの多様性が比較的容易に確保でき、イノベーションを生む確率を高めるというメリットがあるのだろう。 日本の場合、メンタリティとカルチャー同様、この政策面についても反Entrepreneur的だと思う。高度な知識は象牙の塔で閉じるばかりだし、外人に対して全く開放的でない。こういった環境要因は、長い年月に渡ってダーウィン的な進化の結果として発現した「表現形」であるから、これをすぐにどうにかしろといわれても変化させることは非常に難しいと思う。 このように、この記事を目にして下手な頭で考察する限りは、日本においてはEntrepreneurshipが育つほうがおかしいという気にさえなる。しかし、敢えて逆張りをするわけでもないし、本来の臍曲がり精神の表れでもないのだが、人がやらない今だからこそ日本において起業するということが好機になっているのじゃないかと個人的には感じるのだ。なにより、ほぼ固定費なしでコストは小遣いレベル、しかしそれでもスケールするインフラを持つことができる。そしてそれにも関わらずプレイヤーが少ない、という今の状況はちょっとないと思うからね。 2007年 04月 30日
あの問題の「消費期限切れ原料を使用した」とされた不二家の最終報告書である。不謹慎ではあるが、ものすごく面白い。
なんと、「消費期限切れ原料を使用した」かどうかの事実は物証としてないのだ。「消費期限切れ原料を使用した」とあるのは、不二家が外注した戦略コンサルの顧客提案書の中だけなのだ。対策会による詳細な原因調査でも、「消費期限切れ原料を使用した」ことを確認できなかったし、百歩譲って「賞味期限切れ原料を消費した」可能性があったかもしれないが、それでも品質に問題がある証拠は一切なく、品質保証も正常に働いていたのだ。ただ、賞味切れ原料が残っていた記録はあるが、その原料を破棄した記録がないことから、戦略コンサルが「消費期限切れ原料を使用した」と勝手に推定し、センセーショナルな言い回しの報告書を顧客(不二家)に提示し、それが外部のチェーン店に「なぜか」FAXされ、そしてマスコミにリークされ、その後の大騒ぎに発展したのだ。 でも、事実と違うのに、なんで会社がつぶれる寸前までにいったんだ、というと、事態に関わったステークフォルダの素質に問題があったのだ。つまり、うまいタイミングで、ビミョウな素養をもつステークフォルダが組み合わさった結果が、例の「不二家」事件であるようなのだ。 当該能力に欠けるマネジメント層:生産管理のコンプライアンス性を軽視し、事後的に当該能力の欠けていると推定できる戦略コンサルに組織改革を丸投げし、危機管理対応でもパニックに陥ってしまった。下品に煽る戦略コンサル:2億円のコンサル案件(なんと8名、40週のコンサルで2億円だ。1日あたり100万円。12.5万円/人日である。)の報告書で、センセーショナルな言い回しとグラフィックを用い、事実を確認しないまま煽りの報告書を提出したことが、結局は不二家を破滅寸前までに追いやった。「消費」と「賞味」を混同し、ネズミの死骸写真がある赤を基調とする報告書だけで、東証一部上場企業を破滅の縁まで追い込むとは、噂に違わず、文字通りの破壊的なテクをお持ちのようである。暴走権力としてのマスコミ:「消費期限」と「賞味期限」や「大腸菌」と「大腸菌群」を混同するように、論理的素養を欠き、水に落ちた犬を叩くだけのバッシング集団と成り下がり、果ては「朝ズバッ」の捏造報道まで引き起こすような非論理的で非倫理的な権力集団である。そしてこれらに加えて、他人の不幸を喜ぶ扇情的な大衆がいる。 生産管理として原料の使用記録をきちんと取っていれば、前社長が当該戦略コンサルを雇わなければ、戦略コンサルが煽らなければ、戦略コンサルのバカ報告書が流出しなければ、マスコミが論理的であれば、経営陣がマスコミへの対応にパニくらず、危機管理対応をきちんとやっていれば、事件自体がおこらなかったのだ。つまり、これはジェームズ・リーズンが「組織事故」で、いみじくも述べているように、 組織事故が発生するための必要条件は、階層的な構造をもった防護上の穴が偶然に重なりあうことであり、その結果潜在的な危険が顕在化して人間や資産に損害をもたらす。このように防護の穴が偶然に一列に並んでしまうのは防護層がたくさんあり、また穴も動き回るために、非常にまれである。 のだが、それが起きたのだ。しかも、健康被害という実際の事故はおろか、バッシングが起きた原因とされた「消費期限切れ原料を使用した」という事実がないにも関わらずだ。このことは、次のことを想起させる。ブッシュ・ジュニアと仲間たちが大量破壊兵器を根拠にイラクに攻め入ったことと、マスコミ各社が「消費期限切れ原料を使用した」ことを根拠に不二家をバッシングしたことと、同型の現象なのではないか?大量破壊兵器も存在していないし、「消費期限切れ原料を使用した」事実もない。もし同型の現象だとすると、マスコミは前者は批判するのだが、じゃあ、自分たちが引き起こした後者の事態を批判する能力はあるのだろうか? 2007年 01月 17日
Open Secrets
The New Yorkerの新年号に掲載されたMalcolm Gladwellの記事である。詐欺と証取法違反で24年の懲役刑の判決を受けたエンロンの元CEO Jeffrey Skillingを擁護する内容であるために、年始にリリースされてから賛否両論を生み、彼のブログもプチ炎上した。 BlinkやTipping Pointで提示された、Gladwellの認識論を巡る基本的な考え方が、時事的な事件をネタに、今回も踏襲されている。 Gladwellの主旨は明快である。世の中の問題は"Puzzle"と"Misterries"という二種類の区別できる。Puzzleは欠けている情報が見つかれば解けるような問題であり、Misterriesは情報がすべて開示されたとしても、絡み合っていて解くことが難しい問題である。Enron事件はPuzzleではなくMisterriesに所属し、すべての情報は開示されていたのだが、その情報があまりに大量で複雑すぎるので、Skillingを含めて誰もが正常に認識できなかったのだ。冷戦時代はPuzzleが多かったが、これからの時代は対立軸が多くあり、情報過多になるので、Misterriesが多くなる。従ってこれからの危機に際しては、Puzzle的なメンタルモデルだけではなく、Misterries的なメンタルモデルが必要になってくる。そしてMisterries的なメンタルモデルは、("Blink"で示されているような)問題の全体と詳細を同時に掴む職人芸的な認識能力が必要である。 問題をPuzzleとMisterriesに区別するやり方は、安全保障のエキスパートであるGregory Trevertonの著書"Reshaping National Intelligence for an Age of Information"て提示された方法である。Gladwellの例示では、ウォーターゲートのディープスロートやアルカイダの潜伏先を突き止める問題はPuzzleであり、ナチのプロパガンダ放送から新兵器(V1ロケット)の配備を推論することや、前立腺ガンを突き止めること、そしてエンロンの問題を認識することはMisterriesである。 Gladwellがエンロンの問題がMisterriesであると主張するのは、公開されている情報だけでエンロンの問題を気づいた人間が存在することを根拠にしている。エンロンの詐欺的スキームは大きくわけると二つあり、ひとつはmark-to-market会計で、これはまだ手に入っていない将来の売上を取引時の期に繰り上げて簿記してしまうために、必要以上に売上を大きく見せる効果がある。もう一つは多数の特定目的会社(SPE)を使った取引の複雑化で、これを用いると損失を膨大な取引の中に溶け込ませることができる。どちらのスキームも、ウォールストリート・ジャーナルの記者や、空売り専門のトレーダーが、公開情報だけから暴いている。さらには、米国歳入庁がエンロンに課税しなかったこと、コーネル大学ビジネススクールの演習授業でエンロンの価値は「売り」と判断したチームがいたことなども、エンロン問題がMisterriesであることの根拠付けとなっている。 Gladwellはさらに、Puzzleでは明確な犯人や責任の所在が明らかであるが、Misterriesでは責任範囲がグレーな広がりをもつと主張する。それを根拠に、エンロンの問題はMisterriesだからSkillingも自身の会社の問題の認識が難しかったはずで、すると責任範囲がグレーになるから、懲役24年という罪をSkillingだけに償わせるのは酷ではないか、という考えを示したことが賛否両論を引き起こした。まあこれについては、主旨とは離れるし、個人的な価値観だけに基づいた不毛なブルシットを言い合うだけに終わると容易に予想できるので、Gladwellの釣り師っぷりを褒めるだけでスルーしたほうがいいと思う。 Gladwellの記事に問題があるとすれば、次の点だと思う。PuzzleとMisterriesの区別はわかった、それではMisterriesに対処するにはどうすればいいのか、という実際的問題になるとGladwellの主張はとたん歯切れが悪くなるのだ。これはGladwellの一連の著書と同じで、経験とカンの達人がご登場、というわけである。そう、それでは「Misterriesを解ける人間も人類の中に存在することがある」としか主張していない。うーん…。 まあでも、それは望みすぎかもしれない。Misterriesの問題が存在するという主張、そしてそれはPuzzleを解くマインドセットとは異なるものを要求されているという主張の2点を、時事的なエンロン事件と一緒に指摘しただけでも、素晴らしいでしょう。オススメ。 2006年 11月 04日
![]() 無印からMoleskineクローンが発売されていた。価格は本家の半分以下の¥788円だ。うん、これは正しい方向だね。 思い起こせば、2000年ごろに良品計画の社長が「無印は団塊ジュニアと心中する」といって、結婚出産を迎えた団塊ジュニアのライフステージにあわせ、商品バリエーションと店舗数を拡大していった。しかし、その肝心の団塊ジュニアが無印には無関心だったり、商品バリエーションの拡大によりオペレーションコストがかかりすぎて、心中どころか自殺する寸前までいった。 それが、最近無印良品はファッションセンターしまむらから低販管費+超効率サプライチェーンを学び、復活しつつある。無印良品が目指すシンプルオシャレなしまむら化は大歓迎だ。 もともと無印の真骨頂とは、世界的なロングセラー商品のアイディアを取り込み、「無印化」するコンピテンシーにあると思う。無印化とは、モノトーンを基調にしたシンプルなデザインを行い、素材も商品ストーリーの一つに取り込み、そしてアイディアのオリジネーターが販売する価格よりは低価格を実現するという三つの特徴をもつ商品化戦略である。そして、この無印化コンピテンシーにおいてSPAをやる意味があるのであって、ロングセラーが見えない新奇なアイディアを商品化することには向いてない組織だと思う。確かに深澤直人の起用は面白いが、実は経営的にはかなり間違った判断だと思っていた。一消費者としても、斬新なデザインの無印商品なんて欲しくないし。 その意味でこのMoleskineの取り込みは正しい方向だと思う。 2006年 10月 04日
Many Theories on Income Inequality, but One Answer Lies in Just a Few Places
まさに、実感とどんぴしゃですよ。90年代にUSで収入キャップが起きたわけは、主にITセクターが絶好調だったためで、シリコンバレーやニューヨークなどの一部地域でバカみたいな富裕層が増えたためとするプロジェクト成果の紹介。 だってさ、SunnyvaleとかMountain ViewとかSan Joseとかの今をトキメクインターネット系会社の下っ端エンジニアの収入がフツウに10万ドルを超えてるんですよ。何も役もないただのコーダーがですよ。リーダークラスにもなると平気で20万ドル超えるんです。マネージャクラスなんて想像も付かない。ある意味金融系よりもスゲエっすよ。キャンパス内にありえないジムがあったりさ、ランチがバカ安ばかりか一部は無料だったり、福利厚生充実してるしね。 で、Hal Varianの結論は、金持ちになるには都合の良いタイミングで都合の良い場所に居る以上の効果はない、という実も蓋もないもの。 2006年 09月 23日
![]() Amazon.com Industrial & Scientific amazon.comが金属素材だとかネジだとかプラスチックなどの「素材」をあつかうようになるそうです。 これってゆくゆくは法人事業にまで発展させて、企業の調達部門をターゲットにするつもりなんですかね?ということは、本を買うのも、エログッズ買うのも、冷延鋼板シート30tを発注するのもamazonになるんでしょうか。 自動車会社の発注担当がamazonにアクセスすると「こんにちは、yutakashinoさん、おすすめの商品があります。」なんてリンクが出て、リンク先には新日鐵やJFEや住金の圧延鋼鈑の一覧がでるとか。そうなるともちろん、決済手段は売り掛けと手形が可能でなくてはいけない。なんちゃって。 2006年 09月 20日
![]() Python2.5 をを、オンスケでリリースですか。やったね。 withとか、Javaのようにtry-except-else-finallyがきちんとつかえるとか、sqlite3が最初から「バッテリーインクルード」されたとか、すごく目新いということはないが、なかなか安定したアップグレードっぷりですな。よいよい。 < 前のページ次のページ >
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