Wolframの本性が現れてきているようだ。WolframAlphaのAPIビジネスである。
http://products.wolframalpha.com/api/pricing.html
APIはRESTである。そして、Googleなどが無料または低額で提供しているサービスが主流のWeb APIの世界に、こいつはなかなかの価格設定で参入である。おそらくそれなりの大規模な法人をターゲットにしているのだろうけれど、これまでもこのブログで述べているように本当にWolframAlphaがビジネスになるためには、かなりのレベルでデータが充実することが必須である。そしてそれはWolfram一社ではなかなか難しいような気がする。だから、今後いろいろな会社との提携(今回のMSのbingとの提携も含めて)があるだろう。
ここ2, 3年の間で、RやSageなどの統合的なFOSS数学ソフトウェアが異様に充実してきたので、計算エンジン自体は別にMathematicaのような商用プロプライエタリ統合ソフトウェアがなくても全く困らない状況になった。そのために、Wolframとしてもデータと計算が一緒になった本来のコンピューティングビジネスに以降せざるを得なくなっているのだ。これは結局、FOSSが数学計算・科学計算をコモディティにしてしまい、その結果、"Data is the king"の生の状況を生み出しつつあるということなのだ。