http://geoweb.princeton.edu/people/keller/Mass_Extinction/massex.html
ユカタン半島の有名なChicxulub(チクシュルーブ)クレーターができた由来は、小惑星の衝突であることが知られている。その衝突により舞い上がった粉塵が太陽を遮蔽した結果、植物が亡び、草食生物が亡び、そして肉食生物が滅んだというのが、巨大隕石衝突仮説による白亜紀の恐竜絶滅説だ。これは10年くらい前までは、古生物学者と地質学者の間で定説になっていた。
しかし、その仮説は誤りであるという論文がこのところ数多くでてきた。これはその陣営のプリンストン大学のGerta Keller氏の説である。巨大隕石衝突仮説が誤りだとする根拠は、Chicxulubクレーターをきちんと掘ってみると、小惑星の衝突によりできた層と古生物の大量死が記録されているK-T境界層には30万年のずれがあるというものだ。K-T境界層の30万年前に小惑星衝突がおこったそうで、そうだとすると小惑星衝突と恐竜絶滅の間には直接的な因果関係がないそうだ。ただこの説も、地質学的な観測の難しさから、広く認められているわけではないそうだ。