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2009年 02月 08日
超幾何級数と代数的組合せ論が面白い。
先日紹介した、The Princeton Companion to Mathematics [http://kashino.exblog.jp/7854271/]にも載っているのだが、整数列の最初のいくつかの要素を与えれば、超幾何級数で表される閉じた形の一般項を推測して教えてくれるプログラムがあるのだ。それが、Christian Krattenthalerの書いたMathematicaのコードのrate.mである。 http://www.mat.univie.ac.at/~kratt/rate/rate.html 実際に使ってみると、その見事さに感嘆する。たとえば、まず1, 2, 3, 4という自明な整数列を与えると返ってくるのは、 In[1]:= << rate.m という結果である。つまり、ただの整数の昇順並びである。i0はRateにおける変数を表す。2変数なら、i0とi1になる。 次にちょっと複雑な1, 2, 5, 14, 42という整数列でも、 In[3]:= c = Rate[1, 2, 5, 14, 42] となる。これはガンマ関数で書いてあるけれど、実は と書き直すことができて、これはいわゆるカタラン数である。実際に数値的に確かめてみると、 In[4]:= c2[i0_] := Evaluate[c[[1]]]; となって、上のガンマ関数で表された式とカタラン数が一致しているだろうことがみてわかる。等式関係をキチンと示すには、ガンマ関数の等式公式を利用する必要がある。じゃあ、名著Proofs and Confirmations [http://kashino.exblog.jp/5905607/]のメインテーマでもあるalternating sign matrixの数の数列、1, 2, 7, 42, 429, 7436, 218348, 10850216をいれると、 In[6]:= となる。ここまでくると、式変形もかなり大変になるが、これはガンマ関数の等式公式を利用すると、次のalternating sign matrix conjectureを示していることがわかる。 なんと、最初のいくつかの整数列をいれるだけで、alternating sign matrix conjectreを計算機が自動で「推測」するのだ。 なぜこういうことができるかというと、超幾何級数を利用した等式証明がWilf-Zeilbergerアルゴリズムで劇的に簡単になったこと、LU分解や行列式計算の数式処理テクニックが発展したこと、そして、ラグランジュ補間を有理数に適用していることだそうだ。rate.mの実装で使われている数学周りの解説は、次の論文にくわしい。 http://arxiv.org/abs/math/9902004 これを機会にWilf-Zeilbergerアルゴリズムを理解したいから、半分くらいまで読んで放置していた名著"A=B"を暇をみて読み直し始めたけれど、これがまたなんとも素晴らしく、なんでこの分野を今までキチンと勉強しなかったんだと自分の不明を呪うばかりだ。 A=B http://www.amazon.com/dp/1568810636/ 時間がない時期に限って、大型の課外活動テーマが突然やってきちゃうんだよな…
by yutakashino
| 2009-02-08 23:09
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