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2008年 08月 12日
夕刊フジや日刊ゲンダイというタブロイド新聞がある. どちらも東京,大阪を中心とした都市部の駅売りが主で,単価は120円から140円程度,電車通勤の会社帰りのサラリーマンがターゲットだ.前者は産経新聞系で東京大阪合わせて156万部,後者は講談社系で東京大阪中部札幌で160万部くらいの購読者だと公称ではいわれている.両者あわせて日刊300万部の発行部数というトンでもない規模の市場なのだ.この二紙以外にも,風俗,特にストリップ嬢とソープランド嬢の情報が超充実の内外タイムスがあるが,まあこちらはおいておこう.また,媒体サイズはタブロイドでないし,スポーツ新聞とも位置づけられなくはないが,それでも実質タブロイド紙と言わざるをえない東京スポーツがあるが,ややこしくなるのでこれも今回は割愛する. 上記のタブロイド紙の紙面構成は大体次のようになっている.1面は,負け組サラリーマンの立場から,政府や権威者に対しての批判的床屋談義を浴びせ,サラリーマンの溜飲を下げるような記事が多い.スポーツにおいて記録更新や優勝があったら,それが一面にくることもある.終面はスポーツそれも野球とゴルフもしくは競馬主体の結果レポートで,数日経つと価値がなくなる情報である.中面以降は充実の盛り場・エロテク情報withエロ漫画+風俗アイドル写真,芸能情報,オヤジのための健康やオススメグッズなどのオヤジリコメンド情報,オヤジ系ライターによるオヤジ全面肯定エッセイ,そして釣りやゴルフスイング指南などの趣味の情報,更にはITに関するかなり遅れた情報がちりばめられている.その模様は,まさに50代を中心とするオヤジサラリーマンの情報誌の王道となっている. 特に大事なのは盛り場情報で,読者の実物は機能するかしないかに関わらず,ファンタジーを持たせるというのが大事だという編集方針で,かなり妄想が入っている.もちろん,お父さんとしては,そんな盛り場・エロテク情報,写真満載のタブロイド紙を妻子供のいる家に持って帰るわけにはいかないから,帰るまでの電車で読み切り,帰着駅に捨てるか電車の網棚に放置しなければならない.そう,タブロイド紙は,紙媒体にもかかわらず,買ってから数十分で用済みになるという超短命の運命にあるのだ.このように超短ライフサイクルのために,コンテンツは数十分で読み切ることができる読みやすさとわかりやすさが要求される.だから,その要件を満たすためのテクは洗練されているといってもよい. 例えば,オヤジ的メンタリティの全面的肯定をすることで,共感の発動を促しコンテンツの受容を容易にさせる,または,複雑な事情を省いたセンセーショナルな言い切りを連続させることで,負担をかけずにそのメッセージをオヤジの脳にダイレクトインさせる,等の高等な行動心理学的テクニックが目白押しなのだ.どこかの心理学系か文学系かメディア系学問専攻の大学院生が,これらのタブロイド紙をきちんとテクスト分析を行って研究すればいいのに.かなりの成果が期待できると思うのだが. どちらもイギリスのタブロイド紙であるThe SunやThe Daily Starなどをイデアとしているらしく,The Sunを一度見ていると,日本人お得意のパクリですかねくらいで終わってしまうのが悲しいのだが,ここではそれは話題にしない. 重要なのは,新聞,テレビ,ラジオ,そして週刊誌という日常メディア以外にもこんなにも巨大な市場がある,ということなのだ.もちろん勉強熱心で真面目な若い人から見ると,これらのタブロイド紙が提供するコンテンツは,職業的人生が終了間際のオッサンの暇つぶしに過ぎないのであるが,それでも公称部数の1/2が捌けるとすると150万部もでているのだ,日刊で.新聞販売店経由で強引に配られる大手全国紙(ちなみに読売は800-1000万部,朝日は600-800万部といわれている)とはワケがちがう.みんな自主的に150万部も買っていくのである. こういう事象が起きていることを見ていると,まだまだ既存メディアがリーチできていない領域や豊かなマーケットがあるのではないかと思えてくるのだ.
by yutakashino
| 2008-08-12 19:39
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