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2007年 12月 20日
最近またもや研究を再開したい系の気分が出てきた。10年ぶりである。もちろん誰かの下で論文生産機(残念ながら生産性が低いが…)になるのはゴメンだし、明らかに自分と合わないスタイルの研究はやりたくない。そもそも自分がアカデミックポジションをあきらめた最大の理由を思い出すと、家族との時間を取りたいという一言に尽きる。
僕は結婚と子供を持つのが比較的早かった。指導教官や研究所のボスには研究の目処がある程度立たない限りは、結婚や子供を持つのは言語道断みたいなことを言われていたが、ことごとく反抗した。それは彼らがあまりに貧相な家庭関係しか持っていなかったように見受けられたので、彼らの言うことが信頼できなかったからだ。例え彼らが世間的に有名だったとしても、彼らのやっていたレベルの研究内容程度では、申し訳ないが家族を犠牲にする価値がないと感じたからだ。 結局最後は家庭か研究かを選択しろと迫られて、家庭を選択したわけである。まあ、研究人生からいきなりフリーのプログラマに近い立場でお金を稼がなければならなくなったので、それからが超大変だったのは事実である。しかし、誕生から小学校に入学するまで、子供のすぐ近くで仕事をしてきたのは本当に良い経験だった。妻と一緒に子育てをし、子供と一緒に成長した。今から考えてみれば、僕の能力程度では大した研究成果があがったはずもなく、そんな推定オチャラケ研究に対してこのひとときしかない家族を犠牲にするのはあまりにもリスキーだったと思う。現在子供が小学5年、2年となってみて、子育てにかなり手が空いてきたのにも関わらず、そんなに歳をとっていないし、手に職もあるし、気力も体力もあるし、というこの状況は、まさに天に感謝をするしかないと思う。その点でいうと、上役の家族状況と研究内容を見て当時決断したことは、Stumbling on Happinessの代理人を利用したヒューリスティックスを知らずに用いたことなんだと気がついた。 これからどんな決断をしていくかはわからないが、当時研究ではなく家族を選択した決断は、これからもベストチョイスであり続けるような気がする。
by yutakashino
| 2007-12-20 00:55
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