My online activities
検索
以前の記事
2013年 02月 2013年 01月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2001年 01月 カテゴリ
全体 Math Science Book Log Misc Business Music IT Food Topic Movie Art Stat Politics Muttering Off Topic 未分類 ブログパーツ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2006年 11月 23日
これが憲法だ! 面白い。長谷部ファンとしては満足。 政治学者の杉田敦さんが長谷部恭男さんに質問する形で、長谷部憲法学を問い直していく対論集である。 例によって、ネーションステートを成り立たせるための長谷部さんの憲法観が提示される。すなわち立憲国家は、価値観の異なる人間同士が公平に共存する必要があり、価値観による生命を決するような対立を排除する必要がある。そのためには私的領域と公的領域に分け、公的な領域では私的な価値観を持ち込まないことが必要で、そのための境界線が憲法であるという前提から始まる。 この私的領域公的領域を分けるところから杉田さんの物言いが入る。杉田さんは政治学者の立場から国民主権をもっと前にだすべきだと考え、国民の個人の価値観こそが国民主権の基礎となるべき共通の考えであるから、私的な価値観の議論を公的な場でしないといけないのではないか、と切り返す。 その関連として憲法の解釈論に議論が及ぶ。長谷部さん的立場では、憲法は条文の言葉尻を文字通りに解釈する方法はあまり生産的な議論を産まず、常に個人の価値観を切り離した形で適切な「解釈」をする必要がある。そのための巫女が内閣法制局であり、憲法学者であるとする。それに対して杉田さん的立場だと、それじゃあ国民主権はどこいったんだよということになる。 この私的・公的切り離し論については最後まで一致を見ないが、そのほかの憲法の機能については概ね意見が一致する。すなわち以下の通りである。 ・憲法は条文を書いてある文字通りに解釈するものではない。 ・憲法は政治体制のありようを成り立たせている枠組みである。 ・憲法は価値観を異なる人間を共存させる機能がある。 ・民主主義の国家権力が暴走することを食い止めることが憲法の役割であり、 そのためには安易に変えることができない硬性の憲法でなくてはならない。 ・憲法9条を改正するのはあまり適切でない。というのは、一つは硬性な憲法 を揺るがすことであるためであり、もう一つは既に解釈で運用をどうとでも できるのに、常備軍云々を憲法に含めたからといって、実態が変わるわけで ないからである。 ときどき会話が噛み合わない部分もあるが、概ねお互いの立場を理解した上でのDevil's Advocateが続くので、読んでいて飽きることがない。ただし「これが憲法だ!」というタイトルはどうよ?長谷部さんにしても杉田さんにしてもそれぞれの分野で超主流というわけではないんだし。まあそれは置いておいても面白かったのは事実。
by yutakashino
| 2006-11-23 00:10
| Book
|
ファン申請 |
||