My online activities
検索
以前の記事
2013年 02月 2013年 01月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2001年 01月 カテゴリ
全体 Math Science Book Log Misc Business Music IT Food Topic Movie Art Stat Politics Muttering Off Topic 未分類 ブログパーツ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2006年 05月 07日
Lovemarks: the furture beyound brands グローバルに展開する大手広告代理店Saartchi&SaartchiのCEOであるKevin Robertsが書いた、ブランドを超える「ラブ」(ここで愛としなかったのは、情愛・性愛と区別したかったため)をカスタマーから得るための指南書。目で楽しめて、ブランド戦略の基礎が学べて、しかも面白い。 書籍全体が広告カタログのようにできていて、どこを開いても有名なブランドの商品やロゴに行き当たる。ロジカルに考えられたコピーの上に効果的なタイポグラフィが付けられており、センスがよく合理的なグラフフィックスとともに、それらが大変うまくレイアウトされていて、まるでグラフィックデザインの教科書のようだ。 この本がいいたいことは次のことである。人間を動かすのは理屈でなく感情である。その感情のうちもっとも基本的で一番のものは「ラブ」である。人は「ラブ」を得るためにいろいろな活動をする。そして、永続的に「ラブ」であるためには、その基礎に「リスペクト」がなければならない。長く愛され続けるブランドになるためには、「ラブ」と「リスペクト」が必要で、このようなブランドを"Lovemarks"と呼び、「ラブ」を使うことで他と圧倒的に違う企業になれる。 それでは"Lovemarks"となるためには何が必要か。それは次の三つである。 1. Mystery(神秘性) 顧客がブランドに対して神秘性をもつということは、顧客が感情を使いはじめる きっかけになる。神秘性は、顧客がブランドと取り結ぶ関係とブランドに対する印象に 多様性をもたらす。これにより、理屈抜きのロイヤリティの基礎となる。 神秘性をもたらすためには、自分自身のブランドの「物語」が必要だし、その過去・現在・ 未来の物語に顧客を結び付けなければいけないし、顧客にビジョンをみせなけれ ばならいし、そのためのアイコンが必要だし、それらはインスピレーションがなければ ならない。 2. Sensuality(感覚性) 感覚に訴えることが、感情に訴えるための一番早い手段であり、永続性のあるもので ある:感覚はすぐに感情を想起させ、感覚を使った経験は長い間記憶に残る。 触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚を顧客が用いる方法を用いる手段を考えること。 3. Intimacy(深い関係性) 顧客と深い関係性を結ぶために、顧客を理解しすることはもちろん、顧客の要求に真摯 でなければならず、それ以外にもLegoやAppleのような顧客の深いコミットメントがな ければならず、顧客の情熱を呼び起こす仕掛けがないといけない。 上記のように、この書籍は普通のブランドが、AppleやGuinnessやCoca-ColaやDisneyやToyota/Lexusに近づくための手段を、広告代理店的アプローチで示している。自分のところの顧客であるToyotaやP&Gが多数実例としてあるのは、まあ愛嬌だろう。 この書籍の一番大事な点は"Lovemarks"という言葉を作り上げたことにあり、その状態に持っていくために大量記述されている「広告代理店」的手法は、はっきりいって実効性がないと思う。だれもがAppleやDesneyになれるわけないじゃないか。そして、ちょっといやらしく思うのは、この書籍を読んでも実効性がないとお考えのお客様はどうぞSaartchi&Saartchiをご用命ください的な臭いが強すぎるところだ。 まあしかし、このようなポジショントークが強くはあるが、ブランディングはもとより企業の立ち位置だとかビジョンだとかを考える上でとても示唆に富む内容であるので、オススメである。
by yutakashino
| 2006-05-07 17:13
| Book
|
ファン申請 |
||