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2013年 02月 22日
ここ一年本業に忙しくて、数学/統計学や実装以外の抽象的なコンピュータ科学周辺の探索や勉強を怠っていた。このままではただのプログラマ兼委託データ解析屋兼経営者/起業家で終わってしまう危機感をずっと感じていた。相変わらず忙しさはあまり解消されないけれど、泣き言をいってもしょうがないので、スキマ時間をつくって修士レベルの教科書を読むことをリハビリにしようと思い習慣づけることを始めた。
今は機械学習再入門をしようと思い、読んでいるのはKevin P. Murphyの"Machine Learning"である。この本は本当にわかりやすく、よく書けていて素晴らしい。MATLABコードもついてきてほとんどの図と例を手元でリプロダクションすることができる。ちなみにMurphyはUBCのCS学部の准教授だったのだが去年そのアカデミック職を辞めてGoogleに入ってしまった。http://research.google.com/pubs/KevinMurphy.html むぅ、またしてもGoogleか…。 この"Machine Leaning"は索引抜きでも1000ページ超えの、北米によくある入門から最新の専門トピックまで幅広くカバーする「フルボディ」教科書で、まずはこれだけで自己完結し、内容も必要十分なものである。こういう「フルボティ」の教科書は読む方も大変だが、書く方はもっと大変だと思う。コンピュータ言語の入門書を書いた+特殊なWebフレーワークの翻訳をしただけのレベルの人間には、どんなレベルの忍耐が必要なのかかまったく想像がつかない。 この「フルボディ」教科書は大学・大学院教育では欠かせないリソースである。例えば、他のコンピュータ科学だとクヌース老師のTAOCP、"Concrete Mathematics"があるし、物理学の教科書でもランダウの物理学教程やファインマン物理学、スミルノフ高等数学教程などはまさにそれだ(まあ邦訳ではかなりの冊数に分冊化されてしまっているが…)。もっとスゴイのになると1970年後半までの成果を詰め込んだ一般相対性理論の「電話帳」MSW"Gravitation"がある。ちなみにこの本は邦訳が2年前の2011年に出ている。邦訳もこの量になればスゴイと思う。マクロ経済学の教科書でもアセモグルの"Introduction To Modern Economic Growth"やウッドフォード"Interest and Pries"やヤングビスト&サージェント"Recursive Macroeconomic Theory"などはまさに"フルボディで、マクロ経済学専攻の院生の必読書ながら読むのが大変だそう。僕は3年くらいまえにマクロ経済学マイブームがやってきて、戯れにヤングビスト&サージェントやアセモグルの本を購入したが、どちらも一章くらい読んで挫折したので、この分野については何も言えない。 まあとにかく、英語圏には一流の研究者が書く非常に質の高い厚い「フルボディ」の教科書が高くそびえ立ち、その山を登攀しないとプロとしての修行の入り口にも到達できないことになっている。つまり、知の体系の経典というか守り番として、そういう厚い学部上級から修士課程レベルの教科書が必要なのだ。しかし、日本にはそういうものはあまり存在しないように思う。これはなぜだろう?(次回に続く…)
by yutakashino
| 2013-02-22 00:39
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